多重債務について
   
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1.法的な債務整理について

2.自己破産について

3.任意整理について

4.特定調停について

5.民事再生について

6.どの手続きを選択すればいいの?
 
 1.法的な債務整理について
 
法的な債務整理の手続きには自己破産任意整理特定調停民事再生の4つの手続きがあります。
自己破産は、所有している財産はすべて処分するかわりに、すべての借金を帳消しにする方法です。
任意整理特定調停は、借金の元金について3年程度の期間で利息をカットして返済していく方法です。
民事再生は、その中間に当たり、借金をある程度減額して3年程度の期間で返済していく方法になります。
さて、4つの法的な債務整理の手続きについて簡単に説明させていただきました。
それぞれの手続きの詳細については後のページに譲るとして、以下ではそれぞれの法的な債務整理の手続きについて、もう少し細かく説明していきます。
 
 2.自己破産について
自己破産は借金超過で苦しんでいる人を救済し、再び立ち直るチャンスを与えるために国が作った制度です。自己破産は他の債務整理と異なり借金はまったくなくなりますが、所有している財産もすべて失うことになります。
借金の総額が大きく、めぼしい財産を所有していない場合には、必然的に自己破産を選択することになりますが、一部の債務を除いての手続きはできませんので、住宅ローンや保証人が付いている債務を除いて自己破産の申し立てをすることはできません。
また、借金の総額が少ない場合、不動産や自動車などの手放したくない財産がある場合、自己破産をしてしまうと業務停止になってしまう資格で仕事をされている場合、ギャンブルや浪費などで借金を作ってしまい免責(借金を帳消しにすること。)を受けることができない場合などは、自己破産を選択することはできません。
  
 3.任意整理について
 

任意整理は、弁護士、司法書士といった専門家が債務者の代理人として債権者と交渉して借金の整理を行っていく方法です。
実際の手続きでは、利息制限法を超えて支払った利息については元金に充当するとして借金の元金を減額し、その減額した元金に対し利息をカットした形で3年程度の期間で返済していくように交渉することになります。
任意整理は自己破産とは異なり一部の借金のみを整理することができますので、保証人が付いている借金を除いて手続きをしたい場合や住宅ローンの分を除いて手続きをしたい場合などでも使うことができますし、財産を処分する必要がありませんので、不動産や車などの財産を所有していて、どうしても手放したくない場合には有効な債務整理の方法です。
また、任意整理は他の債務整理の方法とは違い裁判所を通しませんので、同居している家族にも知られることはありませんし、仕事が忙しく裁判所に行く時間がない場合にも手続きをすることができます。
しかし、自己破産のように借金自体がなくなるわけではなく、元金については返済していかなければなりませんので、借金の総額が大きい場合には任意整理を選択することはできません。
 
 4.特定調停について
 
特定調停は、裁判所が間に入って債権者と債務者が話し合いによって借金の整理を行っていく方法です。
わかりやすくいうと裁判所における任意整理と考えればいいでしょう。
特定調停についても任意整理と同じで、一部の借金のみを整理することができますので、保証人が付いている借金を除いて手続きをしたい場合や住宅ローンの分を除いて手続きをしたい場合などでも使うことができますし、財産を処分する必要がありませんので、不動産などの財産を所有していて、どうしても手放したくない場合には有効な債務整理の方法です。
しかし、自己破産のように借金自体がなくなるわけではなく、元金については返済していかなければなりませんので、債務の総額が大きい場合には特定調停を選択することはできません。
なお、特定調停は専門家に依頼しなくても不利になることはありませんので、手続きの費用を節約できるメリットはありますが、ご自分で債権者への対応をしなければなりませんし、裁判所に何度か足を運ぶ手間がかかるなどのデメリットもあります。
 
 5.民事再生について
 
民事再生は住宅ローンを含めた多重債務に苦しむ個人に対して、マイホームを維持しながら経済的に立ち直るための法的な債務整理の方法として平成12年11月に施行された新しい法律です。
任意整理と特定調停は、原則として借金の元金は分割で返済していかなければなりませんし、自己破産はまったく借金はなくなりますが、財産もすべて失うことになってしまいます。財産をまったく持っていなければ自己破産を選択すればよいのですが、マイホームを持っていて、どうしても手放したくない場合には、他の方法を考えなくてはなりません。
任意整理と特定調停では、借金の元金は返済していかなければなりませんので、住宅ローンを含めて返済をしていくことは実際には難しいでしょう。
しかし、民事再生を選択できれば、住宅ローン以外の借金はかなりの額を圧縮(例えば500万円の借金であれば100万円に圧縮できます。)することができますので、充分に住宅ローンを返済しながら残った借金を返済していくことが可能だということになります。
ただ、民事再生は他の債務整理と比較すると手続きが複雑で期間もかかりますので、住宅ローンがありマイホームを維持していきたい場合などを除いて、他の債務整理の方法を前提に検討していく方がいいでしょう。
 
 6.どの手続きを選択すればいいの?
 
それでは、上記の法的な4つの債務整理について、それぞれの手続きをどのような場合に選択していけばいいのでしょうか?
以下は、それぞれの手続きを選択する上での検討事項になります。

1.借金の総額についての検討
借金の総額については、その額によって選択する手続きが変わります。
借金の総額が大きく返済の目処が立たない場合は、自己破産を選択することになりますが、逆に借金の総額がそれほど大きくない場合で、利息がなくなれば返済できるような場合であれば、任意整理または特定調停による債務整理を選択することになります。

2.収入についての検討
収入については、借金の総額とのバランスを考える必要があります。
要するに借金の総額が大きい場合でも収入が多ければ返済が可能だと判断されて、自己破産は選択することはできませんので、この場合には他の債務整理(任意整理特定調停民事再生)を選択することになります。

3.所有財産についての検討
所有財産については、所有している財産を処分してもいいかどうかによって選択する手続きが変わります。
所有財産には家や土地などの不動産(住宅ローンがある場合には次の検討項目になります。)、自動車、株券、生命保険などがあります。
自己破産民事再生は一部の財産を除いて手続きをすることができませんので、上記のような所有財産を処分したくない場合には任意整理または特定調停を選択することになります。

4.住宅ローンの有無による検討
住宅ローンに有無については、借金を返済しながらマイホームも守っていきたいかどうかで選択する手続きが変わります。
マイホームを諦めてもいい場合であれば、自己破産を選択して手続きをすることになりますが、マイホームを守りながら債務整理をしていきたい場合には民事再生を選択することになります。

5.保証人の有無による検討
保証人の有無については、保証人に対して請求されるのが困るかどうかで選択する手続きが変わります。
自己破産民事再生は保証人が付いている債務を除いて手続きをすることができませんので、保証人に対して請求されるのが困る場合には、任意整理または特定調停を選択して保証人が付いている債務を除いて債務整理の手続きを進めていくことになります。

6.借金の理由による検討
借金の理由については、自己破産を選択する上で問題になります。
ギャンブルや浪費などで借金を作った場合には免責を受けることができませんので自己破産は選択できません。この場合には、他の債務整理(任意整理特定調停民事再生)を選択することになります。

さて、ここまで読んでいただければ、債務整理についての大まかな概要について理解ができたかと思います。
それぞれの手続きについての細かい内容、実際の手続きの依頼、手続きにかかる費用については後のページを参照にしてください。